映画が好き「アメリ」

この映画の監督・ジャン=ピエール・ジェネは「アメリ」の公開後たくさんのアメリファンから手紙をもらったそうです。自分を映画の主人公アメリと重ね合わせて手紙を書いてきた人もいたのだとか。
そう、確かにアメリのような人は世の中に少なからず存在していて、私たちがこうして映画を鑑賞している間にも、なんとか世間に溶け込もうと無器用な努力を続けているのです。
無器用なその人は小さいとき友達がいなくて、他人とうまくやっていく術を学ぶことなく成長しました。その人にとって世の中は、誰一人自分を受け入れようとはしてくれない異世界に他なりませんでした。「誰か私の声が聞こえる?」「友達になってくれる人はいないの?」その人は叫びました。けれど、その声は異世界の住人には聞こえません。ある日、その人の目の前に現れたのは、異世界の住人から「変な奴」と呼ばれている人でした。その人はすぐに、自分と同じ匂いのするその人に惹かれていきます。その恋の顛末を描いたのが、この映画「アメリ」なのです。
彼女の声が届かない異世界で、彼女は自分を守るための策略を身に付けます。彼女はそれで自分を守っているつもりですが、その一方で彼女の心はガラスのように脆く壊れやすくなっていってしまうのです。
映画の中で、主人公アメリが唯一内面を吐露するのは、ガラス男と呼ばれる画家だけです。彼女は、自分を策略で守ることで自分が脆くなっていくことに気づいていませんが、家具にぶつかっただけでも骨が砕けてしまうようなガラス男に対し、無意識に仲間意識のようなものを感じたのでしょう。だから安心して口を開いてしまうのです。
策略という甲冑で身を固めたアメリは、自分の内なる声に耳をかたむけることさえ、ときにできません。だから彼女の内なる声は彼女の口からでなく、彼女の部屋のテレビが代わりにしゃべりだすのです。
けれど映画の中のアメリは悲観してばかりではありません!「観る人みんなが幸せになる」というキャッチの通り、彼女は実に行動的で魅力に溢れているのです。
主人公アメリを演じるオドレイ・トトゥの演技、フランスの街並みをおとぎ話のように脚色した映像、監督自身の実体験をつむぎ合わせたストーリーと、母国フランスやハリウッドで培った確かな映像技術が結実した本作品は、唯一無二のラブファンタジーとなっています。
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コメント
TBリターンありがとうございます(^^)
私の方こそ、ふうがさんの物の見方に関心を持ちました。
漠然と物を感じ取っても、私はそれをうまく文章にできないタイプなので、ふうがさんの文章スタイルは憧れです(笑)
色々な事をふうがさんの鋭い切り口で見れたらいいなぁと思います。
これからもお邪魔させて頂きますね。
投稿: jyuane | 2005.02.06 00:09
jyuaneさん
もの書き修行を始めてもう6年近くになりますが、僕の文章に対してそんな風に温かい理解を示してくれたのはjyuaneさんがはじめてです。ありがとう、ありがとう!(ギュッと手を握って激しく振っています)
誰かが期待してくれると思えば僕も頑張らざるをえません。粉骨砕身(最近おぼえた四文字熟語)してこれからも書き続けます。
投稿: ふうが | 2005.02.09 16:17